春、やさしい世界
林 和（はやし やまと）
前にパンジーの話をしましたが、
今はチューリップが目いっぱい咲くようになりました。
いよいよ春めいてきましたね。
木々が芽吹き、花はほころび、気候もより快適になってくるにつれて、
なんだか気分も高揚してくるように感じられる方も多いことでしょう。
一方で、もしかしたら、
そういった気候の変化に目を向ける余裕がない状況に置かれている方、
あるいは、春はそんなに好きじゃないと思われている方だっていらっしゃるかもしれませんね。
本当に、
置かれている状況は人それぞれ、感じ方も人それぞれで、
そうやって皆、それぞれの世界を懸命に生きておられると思います。
そして、それぞれの世界は時に近づき、接し、重なり、反発したり、融合したり・・・
その関係性も刻々と変化していきますね。
そうしているうちに、もしかしたらお互いの世界を、
良い悪いと評価する気持ちも生じてくるかもしれません。
それでも、本来的には、
それぞれの世界に良いも悪いも上も下もなく、
ただそのように「ある」、というだけなんですよね。
そうやって、
一人ひとりに大事なそれぞれの世界があるんだ、
ということに思いを至らせることを、
「思いやる」というのかな、と考えたりもしています。
けれど、
そこには必ずしも共感が必要というわけでもなくて、
「ああ、この人はそれを大切にしてるんだなぁ」と、
ただ認めるだけでも違うんじゃないかな、と思うんです。
そして、もしも皆が今より少しずつでも、
相手の世界を「思いやる」ことができるようになれば、
世の中は少しずつでも優しい『世界』になっていくのかな・・・
なんてことを、このチューリップ（花言葉「思いやり」）を見ていたら想ってしまいました。
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