「たちまちビール」?
「たちまちビール!」
おそらく広島になじみのない方には???だと思います。
新しく出たビールっぽい飲料の商品名?
なんか、それを注ぐと何でもたちまちビールに早変わり、
みたいな、ドラえもんの道具!?
(本当にあったらいいなぁ)
私も、もう25~6年前になるでしょうか、
広島に来たばかりの頃は、そんな感じでした。
そう、広島の方言だと「たちまち」は、
「とりあえず」の意味で使われるんですね。
出身地の愛媛は、瀬戸内海を隔てただけのある意味、お隣さんなんですが、
広島に来た当初は結構、耳慣れない方言も多かった印象です。
「ぶち」= すごく
「えっと」= たくさん
「たいぎい」= しんどい、めんどくさい、疲れる
「~けん(けえ)」= ~だから
「~しんさい(しんちゃい)」= ~しなさい
(やさしいほうから怒りのほうへ、「しんちゃい ⇒ しんさい ⇒ しんさいや!」の三段活用のイメージ)
・・・とか、ほんの一部ですが。
あと、イントネーションもちょっと独得なんですよね。
今はもう残念ながら、再開発とかで無くなってしまいましたが、
広島駅近くに年季の入った、めちゃくちゃ美味しい
お好み焼き屋さんがあって、
そこの大将がこれまた年季が入ってて顔がいかつくて、
さらに年季の入ったぶっきらぼうな広島弁なので、
まあ思わず、昭和の広島が舞台の某有名任侠映画シリーズが浮かびますよ。
ただ、美味しくいただいて、「ごちそうさま」を告げて店を出ようとすると、
必ず少しだけはにかんだ感じで「ありがと」と返してくれるんです。
で、広島弁は「り」ではなくて「が」にアクセントがつくので、
関西弁の「おおきに」と同じアクセントだなと思ったり、
その時だけちょっとかわいらしい感じさえするギャップというか、
なかなか言葉だけでうまく説明ができませんが、
とにかく、その最後のやり取りだけで、
第一印象では分からない実はすごくいい人感が伝わってくるのが、
とても印象的でした。
広島弁そのものが、よく「恐い」とも、「かわいい」とも、
同時に正反対の印象を持たれたりするのは、それと同じようなことなのかな、とも思ったり。
やはり人でも場所でも、表には出にくい本当の良さは、
実際にしばらく触れ合ってみないとわからないものなのかな、と思ったりしています。
ということで、すっかり広島に溶け込み、愛着さえ感じるようになった私は、
今日も当たり前に広島弁を使いこなしています。
「たちまちビールで!」
・・・余談ですが、
くれたけ心理相談室には日本各地に(だけではなくて世界にも)支部がありますので、
機会があれば他の地域の方言とか地域ネタも聞いてみたいな、
なんて、この記事を書きながら思っていました。
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