〇〇の呼吸(くれたけ#253)
【2025年6月のお題-2】(くれたけ#253)心理に関して、読者さんにとってオトクな情報を1つだけ披露してください。
私たちの心と体は密接に連動しています。
たとえば自律神経系。
喜怒哀楽、緊張、恥ずかしさ・・・
心が激しく動くほどに、
発汗、血圧の上昇・低下、涙、赤面・・・
勝手に体に様々な反応が表れます。
それらの反応は、心の動きが落ち着いてくると
また勝手に鎮まっていきますが、
自分で思い通りに反応だけをコントロールするのは難しそうです。
ただ、行動を意図的に変化させることで自律神経系に影響を与えられる部分もあります。
その1つが呼吸です。
呼吸を意識して調整する練習を重ねていくと
自律神経系を通して心の状態に影響を与えられるようになり、
不安、うつ、PTSD などの症状の改善に繋がることが分かってきています。
実は、呼吸と一口に言っても、実は「呼」と「吸」で
影響する自律神経系は異なるんです。
一般に、息を吸うときは交感神経系が優位になり、
息を吐いているときは副交感神経系が優位になります。
とても驚いた時、恐怖を感じた時の「ハッ!」を思い出してみてください。
それは吸う息のはずです。
驚きや恐怖に対して、しっかり息を吸って酸素を取り込んで、
「闘争か逃走か」の交感神経系を優位にして、
すぐに反応できるように準備しようとするわけですね。
一方で、「ため息」は吐く息ですね。
ため息と聞くとどうしてもマイナスなイメージが浮かびがちですが、
「ため息」とは本来、交感神経系が活性化した状態から
自律神経系を副交感神経系とのバランスの取れた状態に戻すための
とても自然で大切な調整機能なんです。
何か大きな課題を終えた直後に思わず出る「ふぅ~・・・」は、
緊張感から解放されたことを表す、安堵のため息ですね。
悲しい時や、疲れた時の「ハァ~・・・」だって、
そうやって息を吐いて自律神経系のバランスを取ろうとしている証拠ですから。
辛い中でも自分の中の自律神経系が
自分を守るためにちゃんと働いてくれていることに気付けば、
何だか心強く、安心さえ感じられるかもしれませんよね。
ということで、ここからが本日のメイン。
より意図的に呼吸を意識して、自律神経系の調整に
つなげていくための呼吸法を1つご紹介しようと思います。
それは「箱の呼吸」というものです。
端的に言うなら、イメージで四角を描きながら呼吸をするだけです。
①まず、吸いながら一辺を描きます。
(最初は4つ数えながらくらいが、どなたにも無理がなくていいと思います)
②そして、吐きながら次の一辺を描きます。
(これも最初は4つ数えながら、まずは正方形を描くイメージがいいです)
③④同じペースで、もう1セット繰り返して四角を完成させます。
何度かやって慣れてきたら、
4つ数えていたところを、5つ、6つ数えながら吸う(吐く)ように増やしていきます。
それに応じてイメージの四角もだんだんとゆったりと大きなものになっていくでしょう。
そうやって、
だんだんとゆっくりとバランスのとれた呼吸をするようになるにつれて、
自律神経系の恵みをしっかりと受け取れるようになっていきます。
さらに、正方形での呼吸法に十分に慣れてきたなら、
吐くほうを長くとった長方形を描いてみれば
副交感神経系の影響を感じられて、
よりリラックスできたりするかもしれませんし、
吸うほうを長くとった長方形を描いてみたなら
交感神経系の影響を感じられて、
何だか意欲が湧いてくるようになるかもしれませんよ。
これまで様々なご相談をお受けしてきた中で
呼吸についてお伝えすることも多々ありましたが、
「呼吸だけに意識すると、かえって呼吸の仕方に迷ってきてしんどくなるんです」
という方や、
「ネットで見た478呼吸法とかをやってみたけど、それに合わせようとすると苦しくなったんです」
といった方も実際にいらっしゃいます。
この「箱の呼吸」は、非常にシンプルなので取り組みやすく、
単純な四角形のイメージを操作するだけなので
自分に合った呼吸のペースをつかみやすく、
変化をさせて違いを感じてみることもやりやすくなっていると思います。
本日は少々、長くなってしまいましたが、
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
せっかくなので、まずは「箱の呼吸」を気軽に試してみて、
慣れてきたら、少しずつ自律神経との対話も楽しんでみてくださいね。
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