生きる力
つい先日、障害福祉サービスの一つである就労継続支援A型の事業所において研修の講師をさせていただく機会がありまして、ここ最近はその準備などもあり慌ただしくしておりました。
日頃の業務からの関わりで、地域の事業所様からそういったご依頼をいただくのも、ありがたいことですね。
実は、先に今年の2月に、主にメンタルヘルスをテーマにした研修のご依頼を受けてまして、
その内容も踏まえつつ、今回はコミュニケーションについてお話をさせていただいた次第です。
就労継続支援A型はハローワークを通した上で雇用契約を結んでの利用になりますから、みなさん基本的には平日は毎日お勤めをされています。
それぞれに何らかの障害やご病気を抱えながらも、それぞれの目的意識を持って日々、仕事に励んでおられます。
その姿を見ていると、分かっていることではありますが改めて、
病気や障害は決してその方のすべてではなく、
健常者といわれる方々との違いは、
それぞれの障害やご病気があって影響を受けてしまう部分もそれぞれにある、
というだけのことなのではないかな、とつくづく感じます。
たとえ心身に明らかに通常とは異なる状態があったとしても、病院へ行き医師の診察を受けないことには、病気や障害の診断はつきません。
診断をつけられるのは医師だけですから。
中には自分が通常とは異なる状態にあることに気付かない方もいれば、
気付いてはいたとしても、何らかの事情があって病院へ行けない方・行かない方もいらっしゃるでしょうし、
セカンドオピニオンで違う診断がつく場合もあるでしょう。
そうなると、病気や障害というのは決して絶対的なものでもなく、
健常といわれることと、病気や障害といわれることとの境目は案外、あいまいなものなのかもしれません。
むしろ「大事なこと」は、
「どのような状態や状況にあっても、自分がどうありたいかが明確で、それに沿う行動をとっているか」
ということなのかなと思うのです。
もちろん、ご病気や障害が本当に重い状態の方もいらっしゃいます。
それこそ一見すると、それがすべてのように映る場合もあるかもしれません。
それでも周囲が関わりを続けていく中で、必ず何か別の側面も見えてくるものです。
そのことが周りで関わる方々にとって大きな力になりますし、それは周りの方々を通してご本人にも伝わっていきます。
それこそが先に述べた、「大事なこと」に通じるものであり、生きる力ともいえるものなのかもしれません。
ご自身の生きる力、感じられていますか。
もしも、まだ感じられていなかったり、一時的に見失ってしまわれていたとしても、焦る必要はありません。
それは間違いなく、あなたの中にちゃんとありますから。
独りよりも誰かと一緒に、よろしければ私たちと一緒に、じっくり見つけていきませんか。
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