5月5日といえば

 

さて、5月5日といえば・・・
そう、「薬の日」ですよね。

そもそもは、遠く飛鳥時代に推古天皇が薬草を採取する催しを行った日付とされており、
その催しが毎年の恒例となる中で、この日が「薬日」と定められるようになった、というのが由来のようです。

 

今や本当に多種多様な薬が私たちの周りにあふれるようになっていますが、
少なくとも自分の飲んでいる薬が、体のどこにどういった作用を及ぼすためのものなのかは、
知っておいても損はないかもしれませんね。

 

私は精神保健福祉士として長く仕事をしてきてもいますので、
精神に作用する薬について大事なことを少しお話ししてみます。

 

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、
精神に作用する薬の役目は、あくまで症状を抑えること、
つまり対症療法ですね。

症状が激しいほど、その症状に囚われて、
他に目を向ける余裕なんて持てなくなりますから、
まずは薬でその症状を和らげるのが効果的です。

激しい症状が和らげば、だんだんとそれに囚われずに済むことが多くなって、
その方、本来の落ち着いた部分が現れてきます。

その時点で、安心できる環境で少しずつ他者とふれ合っていったり、
認知行動療法などの各種心理療法を行ったりすることで初めて、
一時的に見えづらくなっていた、その方自身の力を再び感じられるようになって、
より根本的なところからの改善を目指していくことができるんです。

 

これは、風邪に特効薬がないと言われているのと近いものがあるかもしれませんね。

一般に風邪薬といわれているものの作用は、
まさに対症療法として風邪の症状を和らげて
自分自身の体がウイルスと戦うための体力を失われないようにすることが目的です。

最終的に風邪を根治するのは、あなた自身の力で、
その力は間違いなく、あなたの中にあります。

実際これまで、ちゃんと風邪から回復してきてますよね。

 

心の問題も、そうかもしれませんね。

悩みや困り感が大きければ大きいほど、
本当はあなたの中にあるはずの解決できる力を
見失ってしまいやすくなります。

風邪からくる熱でフラフラの時はしんどいばっかりで、
なかなか「きっとこの風邪から回復してやる!」なんて考える余裕
持てませんもんね。

 

それでも、解決する力はちゃんと、あなたの中にあります。

そして、その力をちゃんと発揮できるようになるまでは

薬の代わりに、心のつらさを和らげてくれる周りの誰かを、

そして私たちカウンセラーを、遠慮なく頼ってくださいね。

 

投稿者プロフィール

林 和(はやし やまと)
林 和(はやし やまと)くれたけ心理相談室(広島支部)心理カウンセラー
広島市全域で対面カウンセリングに対応いたします。またオンラインカウンセリングは全国(全世界)より承ります。

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